オフィス移転は、物件探しから内装工事、引っ越し、行政手続きまで多岐にわたる業務が発生するプロジェクトです。段取りを誤ると二重家賃や工期遅延といったトラブルにつながりかねません。本記事では、オフィス移転の進め方を5つのフェーズに分けて、業界担当者が押さえておくべき実務のポイントを解説します。
オフィス移転の進め方は5つのフェーズで計画的に進めるのが結論

オフィス移転の進め方について結論からお伝えすると、「準備」「移転先選定」「設計・施工」「引っ越し」「移転後運用」の5フェーズに分けて計画的に進めることが成功への近道です。それぞれのフェーズで何をいつまでに行うべきか、まず全体像を押さえておきましょう。
オフィス移転は「準備」「移転先選定」「設計・施工」「引っ越し」「移転後運用」の5段階
オフィス移転プロジェクトは大きく5段階に分解できます。準備段階では目的整理や予算設定を行い、移転先選定段階で物件を絞り込みます。その後、設計・施工段階でレイアウトや内装を作り込み、引っ越し段階で実際の移動を実施し、移転後運用段階で新オフィスを定着させていく流れです。
この5段階を意識することで、担当者間の役割分担や進捗管理がしやすくなります。どのフェーズで誰が何を担うのか、あらかじめ整理しておくと後工程での手戻りを防げます。
移転完了までの標準的な期間は6ヶ月〜1年
オフィス移転にかかる期間は、規模や条件にもよりますが一般的に6ヶ月から1年程度が目安です。小規模なオフィスであれば短縮できる場合もありますが、坪数が大きく内装工事の範囲が広いほど期間は長くなる傾向にあります。
特に人気エリアでは希望条件に合う物件がすぐに見つからないこともあり、物件探しだけで数ヶ月かかるケースも珍しくありません。逆算してスケジュールを組むことで、慌ただしい移転作業を避けられます。
オフィス移転の進め方で計画性が重要な理由

オフィス移転で計画性が求められる背景には、経営的な意味合いの大きさや契約上の制約、工事期間の不確実性、従業員への影響といった複数の要因があります。ここでは4つの観点から、なぜ計画的な進行が欠かせないのかを見ていきます。
移転は単なる引っ越しではなく経営課題を解決するプロジェクトであるため
オフィス移転は荷物を運ぶだけの作業ではなく、組織拡大や生産性向上といった経営課題を解決する機会でもあります。座席数の不足解消やコミュニケーション活性化など、移転の目的が明確であるほど、その後のレイアウトや設備選定にも一貫性が生まれます。
目的があいまいなまま進めてしまうと、移転後に「結局何も変わらなかった」という結果になりかねません。経営層と現場双方の視点を取り入れながら、移転を通じて実現したい姿を最初に描いておくことが重要です。
現オフィスの解約予告期間を過ぎると二重家賃が発生するため
多くのオフィス賃貸借契約では、解約の6ヶ月前までに予告が必要とされています。この予告期間を見落として手続きが遅れると、新旧両方のオフィス賃料を同時に支払う二重家賃の状態に陥ってしまいます。
契約書に記載された解約予告条項は、移転計画を立てる際の起点となる情報です。早い段階で確認し、逆算でスケジュールを組むことで無駄なコストを防げます。
レイアウトや内装工事には想定以上に時間がかかるため
レイアウト設計やパーテーション工事、電気・通信配線などの内装工事は、図面確定から施工完了まで複数の工程を経るため、想定より時間がかかることが多いフェーズです。特に什器の発注リードタイムや、繁忙期における施工会社のスケジュール調整には注意が必要です。
工期の見積もりが甘いと、引っ越し直前になって工事が終わらないという事態も起こり得ます。設計会社や施工会社と早めに打ち合わせを重ね、余裕を持った工程を組むことが求められます。
従業員の業務に支障が出ないよう調整が必要なため
オフィス移転は通常業務と並行して進めるプロジェクトであり、従業員の日常業務に支障が出ないよう配慮する必要があります。荷造りや説明会への参加、座席の変更に伴う戸惑いなど、現場への影響は少なくありません。
移転スケジュールを早めに周知し、繁忙期を避けて引っ越し日を設定するといった配慮によって、業務停滞を最小限に抑えられます。従業員一人ひとりが移転の目的を理解できるよう、情報共有の頻度も高めておきたいところです。
オフィス移転の進め方【準備フェーズ】6ヶ月〜10ヶ月前にやること

移転の6ヶ月から10ヶ月前は、プロジェクトの土台となる準備フェーズです。目的の明確化から予算設定、現状把握まで、この段階での意思決定がその後の進め方全体を左右します。
移転の目的とゴールを明確にする
準備フェーズで最初に取り組むべきは、なぜ移転するのか、移転によって何を実現したいのかを言語化することです。人員増加への対応、コミュニケーション活性化、コスト削減など、目的は企業によって異なります。
目的が定まれば、物件選びやレイアウト設計の判断基準がぶれにくくなります。経営層や関連部署へのヒアリングを通じて、複数の視点から移転の意義を整理しておきましょう。
移転プロジェクトチームを社内に発足する
オフィス移転は総務や人事、情報システムなど複数部署にまたがる作業が発生するため、専任のプロジェクトチームを組織することが望ましいです。責任者を明確にし、各部署の窓口担当を決めておくことで、意思決定のスピードが上がります。
チーム発足時には、定例会議の頻度や報告ルートも決めておくと、進捗管理がスムーズになります。関係者が多いプロジェクトほど、初期段階での役割分担が後々の混乱を防ぎます。
移転にかけられる予算の上限を設定する
移転費用は賃料や敷金・礼金だけでなく、内装工事費、什器購入費、引っ越し業者への支払い、原状回復費など多岐にわたります。準備段階で総予算の上限を設定しておくことで、その後の物件選定や設計段階での判断がしやすくなります。
予算配分の目安をあらかじめ項目ごとに割り振っておくと、後から特定の費用が膨らんだ際にも調整がしやすくなります。想定外の出費に備えて、予備費を確保しておくことも忘れずに行いたいところです。
現オフィスの契約書を確認し解約予告のタイミングを把握する
現オフィスの賃貸借契約書には、解約予告期間や違約金の有無、原状回復義務の範囲などが記載されています。これらの条件を把握しないまま計画を進めると、想定外のコストや手続きの遅れが生じる可能性があります。
特に解約予告期間は物件によって3ヶ月から6ヶ月とばらつきがあるため、早めに確認し、逆算でスケジュールを組むことが大切です。不明点があれば管理会社や貸主に直接問い合わせて確認しておきましょう。
現オフィスの座席数・部門ごとの利用状況を棚卸しする
移転先の広さやレイアウトを検討する前提として、現オフィスの座席数や部門ごとの人員配置、会議室の利用頻度を棚卸ししておく必要があります。実際の稼働状況を数値で把握することで、新オフィスに必要な面積や機能を過不足なく設計できます。
フリーアドレス制の導入や在宅勤務との併用を検討している場合は、稼働率のデータも合わせて収集しておくと、より精度の高い計画につながります。
オフィス移転の進め方【物件選定フェーズ】4ヶ月〜6ヶ月前にやること

移転の4ヶ月から6ヶ月前は、実際に移転先を決定していく物件選定フェーズです。希望条件の整理から契約締結、現オフィスの解約通知まで、複数の手続きが並行して発生します。
希望条件を整理して候補物件をリストアップする
物件探しを効率的に進めるには、面積や賃料の上限、最寄駅からの距離、耐震性能といった希望条件をあらかじめ整理しておくことが欠かせません。条件に優先順位をつけておくと、内見の際にも判断がしやすくなります。
不動産仲介会社に希望条件を伝える際は、譲れない条件と妥協できる条件を分けて説明すると、より的確な物件提案を受けられます。
候補物件を内見して比較検討する
候補物件が絞り込めたら、実際に足を運んで内見を行います。図面だけでは分からない天井高や柱の位置、日当たり、周辺環境などは現地でしか確認できません。
複数物件を比較する際は、賃料や面積だけでなく、設備仕様や共用部の使いやすさも含めて一覧で整理すると判断がしやすくなります。パーテーション工事のしやすさや配線ルートの確保しやすさといった、内装工事の観点からのチェックも忘れずに行いましょう。
賃貸借契約の条件を確認して契約を締結する
移転先が決まったら、賃貸借契約の内容を詳細に確認します。賃料や共益費だけでなく、原状回復の範囲、更新料、解約予告期間、内装工事に関する制限事項なども重要な確認ポイントです。
特にパーテーション設置や間仕切り変更については、ビルによって制約が異なる場合があります。契約前に施工会社を交えて確認しておくと、後々の設計変更を避けられます。
現オフィスの解約通知を提出する
新オフィスの契約が固まった段階で、現オフィスの解約通知を貸主または管理会社へ提出します。解約予告期間を過ぎてしまうと二重家賃が発生するため、準備フェーズで確認した予告期間を踏まえ、適切なタイミングで手続きを行うことが大切です。
解約通知の書式や提出方法は物件ごとに定められている場合が多いため、契約書の内容に沿って漏れなく対応しましょう。
オフィス移転の進め方【設計・施工フェーズ】3ヶ月〜5ヶ月前にやること

移転の3ヶ月から5ヶ月前は、新オフィスの空間を実際に作り上げていく設計・施工フェーズです。ゾーニングからレイアウト設計、什器選定、原状回復の見積もりまで、パーテーション施工にも深く関わる工程が続きます。
部門配置を決めるゾーニングを行う
ゾーニングとは、オフィス内をどのエリアにどの部門を配置するかを決める作業です。部門間の連携頻度や来客対応の有無、集中作業の必要性などを踏まえて配置を検討します。
ゾーニングの精度が高いほど、後の業務動線設計やレイアウト設計がスムーズに進みます。フロア図面をもとに、各部門の座席数や必要な会議室数を落とし込みながら検討しましょう。
業務動線を考慮したオフィスレイアウトを設計する
ゾーニングが決まったら、実際の座席配置や通路幅、会議室への動線を具体的に設計していきます。人の流れが交錯しやすい場所や、コピー機・給湯室など共有設備の位置は、日々の業務効率に直結する要素です。
動線設計では、部門間の移動距離だけでなく、来客動線と社員動線を分ける工夫も検討したいところです。実際の運用をイメージしながら図面を確認することで、使い勝手の良いオフィスに仕上がります。
パーテーションで区切る会議室や個室スペースを決める
レイアウトが固まったら、会議室や集中ブース、役員室などパーテーションで区切る箇所を具体的に決めていきます。ガラスパーテーションを使えば開放感を保ちながら視線を遮ることができ、可動式パーテーションを使えば会議室の広さを用途に応じて変更することも可能です。
用途に応じてパーテーションの種類や高さを使い分けることで、コストと機能性のバランスを取ったスペース設計が実現します。
デスク・チェアなどオフィス什器を選定する
レイアウトに合わせて、デスクやチェア、収納棚などの什器を選定します。什器はデザイン性だけでなく、サイズや納期、既存什器の再利用可否も考慮して選ぶ必要があります。
発注から納品までのリードタイムは什器の種類やメーカーによって異なるため、施工スケジュールと合わせて早めに手配することが重要です。既存什器を継続利用する場合は、搬入出のタイミングも合わせて調整しておきましょう。
内装工事会社・パーテーション施工会社を選定する
レイアウト設計から施工までを依頼する会社選びは、移転プロジェクトの品質を左右する重要な判断です。複数社から見積もりを取得し、施工実績や対応スピード、アフターフォロー体制を比較検討しましょう。
設計と施工を別会社に依頼すると、意図の伝達に齟齬が生じることがあります。パーテーション施工まで一貫して対応できる会社であれば、設計段階からの相談がしやすく、仕上がりのイメージも共有しやすくなります。
旧オフィスの原状回復工事の見積もりを取得する
新オフィスの工事と並行して、旧オフィスの原状回復工事の見積もりも取得しておく必要があります。原状回復の範囲は契約書によって定められており、スケルトン返却が必要な場合と、一定の造作を残せる場合とで費用が大きく変わります。
見積もりの取得は複数社に依頼し、工事内容と金額の妥当性を比較することが望ましいです。退去日から逆算して工期を組み、引っ越し後にスムーズに着手できるよう調整しておきましょう。
オフィス移転の進め方【引っ越し準備フェーズ】1ヶ月前にやること

移転1ヶ月前は、施工完了の確認から引っ越し当日の段取り、行政手続きの準備まで、実務が一気に集中する引っ越し準備フェーズです。抜け漏れのないよう、チェックリストを活用しながら進めていきましょう。
施工完了後の仕上がりを最終チェックする
内装工事が完了したら、図面通りに仕上がっているか現地で最終チェックを行います。パーテーションの設置位置や建具の動作、コンセントの位置など、細部まで確認しておくことで移転後のトラブルを防げます。
不具合が見つかった場合は、引っ越し前に施工会社へ修正を依頼できるよう、余裕を持ったスケジュールで確認作業を行うことが大切です。
従業員向けに移転説明会を実施する
引っ越し1ヶ月前は、従業員に対して移転の詳細を説明するタイミングでもあります。新オフィスの座席配置や設備の使い方、荷造りのルール、当日のスケジュールなどを共有し、疑問点を解消しておきましょう。
説明会を通じて移転への理解を深めてもらうことで、当日の混乱を減らし、スムーズな引っ越しにつなげられます。
引っ越し業者と当日の搬入出スケジュールを調整する
引っ越し業者との打ち合わせでは、搬出・搬入の順序やエレベーターの使用時間帯、養生の範囲などを具体的に確認します。ビルによってはエレベーターの使用時間や搬入経路に制限がある場合もあるため、事前にビル管理会社への申請が必要です。
当日の混乱を防ぐためにも、部門ごとの荷物量や搬入順を事前にリスト化し、業者と共有しておくことをおすすめします。
各種行政届出の必要書類を準備する
オフィス移転に伴い、法務局への本店移転登記や税務署への異動届出書など、複数の行政手続きが必要になります。書類によって提出期限や必要添付書類が異なるため、1ヶ月前の時点で必要書類の準備を進めておくとスムーズです。
社会保険や労働保険に関する届出も発生するため、担当部署と連携しながらリストを作成しておきましょう。
取引先・関係者へ住所変更を案内する
移転が近づいたら、取引先や金融機関、各種サービス提供会社へ住所変更の案内を送付します。名刺や請求書、契約書のひな形なども新住所への更新が必要です。
案内漏れがあると郵便物の不達や取引先への連絡ミスにつながるため、送付先リストを事前に整理し、担当部署ごとにチェックしながら対応を進めましょう。
オフィス移転の進め方【移転後フェーズ】新オフィス運用開始後にやること

新オフィスでの業務が始まった後も、行政手続きの完了や社内ルールの周知、旧オフィスの原状回復確認など、対応すべき業務が残っています。移転後フェーズをきちんと締めくくることが、プロジェクト全体の完了につながります。
法務局・税務署など各種行政手続きを行う
本店移転登記や異動届出書の提出は、移転後速やかに完了させる必要がある手続きです。法務局への登記変更には一定の期限が定められている場合もあるため、準備フェーズで整理した書類をもとに漏れなく提出しましょう。
各種届出の提出先や必要書類は自治体や管轄によって異なる場合があるため、事前に管轄窓口へ確認しておくと安心です。
新オフィスの利用ルールを従業員に周知する
新オフィスの運用を軌道に乗せるには、会議室の予約方法や共有スペースの使い方、フリーアドレス運用のルールなどを従業員に改めて周知することが効果的です。移転直後は使い方に戸惑う従業員も多いため、掲示物やイントラネットでの案内も併用すると浸透しやすくなります。
運用開始から数週間は問い合わせ窓口を設けておくと、疑問点をすぐに解消でき、新しい環境への定着が早まります。
旧オフィスの原状回復工事の完了を確認する
旧オフィスの原状回復工事が完了したら、貸主や管理会社の立ち会いのもと最終確認を行います。契約書で定められた原状回復の範囲通りに仕上がっているかを確認し、問題がなければ敷金の精算手続きに進みます。
この確認作業をもって、オフィス移転プロジェクトは実質的に完了となります。工事内容に相違があれば、速やかに施工会社へ修正を依頼しましょう。
オフィス移転の進め方を成功させるための3つのポイント

ここまでオフィス移転の進め方をフェーズごとに解説してきましたが、成功に導くためにはいくつかの共通するポイントがあります。プロジェクト体制、スケジュールの余裕、依頼先選びという3つの観点から整理します。
社内外の関係者を巻き込んだプロジェクト体制を作る
オフィス移転は総務部門だけで完結するものではなく、人事、情報システム、各事業部門、そして不動産会社や施工会社といった社外の関係者も含めた協力体制が欠かせません。関係者が多いほど、情報共有の仕組みづくりが成功の鍵を握ります。
定例会議やチャットツールを活用し、進捗状況や決定事項をリアルタイムで共有できる仕組みを整えておくと、部門間の認識のずれを防げます。
スケジュールには余裕を持たせて計画する
内装工事や什器の納品には予想外の遅延がつきものです。ぎりぎりのスケジュールで計画を組んでしまうと、少しの遅れが引っ越し日全体に影響を及ぼしかねません。
各工程に1〜2週間程度のバッファを設けておくことで、多少のトラブルが発生しても全体のスケジュールを崩さずに対応できます。特に施工フェーズは天候や資材の納期に左右されやすいため、余裕を持った計画が安心につながります。
レイアウト設計から施工まで一貫対応できる会社に依頼する
設計と施工を別々の会社に依頼すると、意図の伝達に時間がかかったり、責任の所在が曖昧になったりすることがあります。レイアウト設計からパーテーション施工まで一貫して対応できる会社であれば、打ち合わせの回数を減らしながら、仕上がりのイメージを共有しやすくなります。
窓口が一本化されることで、変更対応や急なトラブルにも柔軟に対応してもらいやすくなる点も、一貫対応の会社を選ぶメリットといえるでしょう。
オフィス移転で失敗しやすいポイントと対策

オフィス移転では、経験の浅さから思わぬ失敗が起こりがちです。ここではよくある3つの失敗パターンと、それぞれの対策を具体的に紹介します。
レイアウト変更を後回しにして工期が遅れるケース
移転先の契約を優先するあまり、レイアウト設計の検討が後回しになり、施工開始が遅れてしまうケースは少なくありません。ゾーニングやレイアウトの検討は、物件契約とほぼ同時並行で進めることが望ましいです。
設計会社に早い段階から相談し、仮図面をもとに部門調整を進めておくことで、契約後すぐに詳細設計へ移行でき、工期の遅れを防げます。
パーテーションの選定ミスで音漏れや圧迫感が生じるケース
コストを抑えようとパーテーションの仕様を安易に決めてしまうと、会議室の音漏れや圧迫感といった問題が移転後に発覚することがあります。特に防音性能や天井高との組み合わせは、カタログだけでは判断しづらい部分です。
実際のサンプルを確認したり、施工実績のある会社に用途に応じた提案を依頼したりすることで、こうしたミスマッチを未然に防げます。会議の内容や利用頻度に応じて、防音性能の異なるパーテーションを使い分けるのも有効な対策です。
予算オーバーを防ぐための費用管理のコツ
内装工事や什器購入は、こだわりを追求するほど費用が膨らみやすい領域です。予算オーバーを防ぐには、準備フェーズで設定した予算枠を各工程で常に意識し、見積もり段階で優先順位をつけておくことが有効です。
以下のような費用管理の工夫を取り入れると、想定外の出費を抑えやすくなります。
- 必須項目と希望項目を分けて見積もりを依頼する
- 複数社から相見積もりを取得し金額の妥当性を比較する
- 予備費を総予算の1割程度確保しておく
- 工事範囲の変更が発生した際は都度金額への影響を確認する
まとめ

オフィス移転の進め方は、準備、物件選定、設計・施工、引っ越し準備、移転後運用という5つのフェーズに沿って計画的に進めることが基本です。それぞれのフェーズで押さえるべき手続きや検討事項を早めに把握し、余裕を持ったスケジュールを組むことで、二重家賃や工期遅延といったトラブルを避けられます。特にパーテーション設計や施工の質は、移転後の働きやすさに直結する要素です。信頼できる施工会社と早い段階から連携しながら、着実に進めていきましょう。
オフィス移転の進め方についてよくある質問

-
オフィス移転はいつから準備を始めればよいですか
- 一般的には移転完了の6ヶ月から10ヶ月前から準備を始めることが望ましいです。現オフィスの解約予告期間や物件探しにかかる期間を考慮すると、早めの着手がスケジュールに余裕をもたらします。
-
オフィス移転の費用相場はどのくらいですか
- 坪単価や工事範囲によって大きく異なりますが、内装工事費だけでも1坪あたり15万円から30万円程度が目安とされています。什器費用や引っ越し費用、原状回復費なども含めて総額を試算しておくことが大切です。
-
パーテーション工事はどのタイミングで依頼すればよいですか
- レイアウト設計が固まった段階、目安として移転3ヶ月から5ヶ月前には施工会社への相談を始めることをおすすめします。設計段階から関わってもらうことで、用途に合ったパーテーション選定がしやすくなります。
-
移転先の物件が見つからない場合はどうすればよいですか
- 希望条件の優先順位を見直し、妥協できる項目を整理することが有効です。不動産仲介会社に希望条件を詳しく伝え、非公開物件の情報も含めて幅広く提案を受けるとよいでしょう。
-
移転後にレイアウトを変更したい場合はどうすればよいですか
- 可動式パーテーションを採用しておくと、運用開始後の組織変更にも柔軟に対応できます。固定式で設計している場合は、追加工事が必要になるため、事前に将来の変更可能性も考慮した設計をしておくと安心です。



